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Afina現代語訳114、神経性腸疾患

1、神経性下痢 腸壁に病的変化のないものには収縮および拡張中枢に打療法を加え、輪状および縦走筋を強健にするためである。 蠕動が亢進して腸内のガスが動くために著しい音響を発し、遠くからでも聴こえるほどで、睡眠を妨げることがあるくらいである。その蠕動の状態は目視で確認できるほどで触れることもできる。このような症状には上L3に打療を加えること。 2、腸疝痛 普通の疝痛と違って、強直状収縮を起こす。この療法はL11の圧迫または打療を施す。 3、神経性便秘 これはヒステリー性の婦人に多い。腹壁のアトニーによっておこ ...

Afina現代語訳113、便秘

便秘は人によってはなんら徴候を示さないが、多くは頭痛、沈鬱、その他の症状を訴える。また神経衰弱症の患者の呼気は不快な臭気を帯びることが多い。それは自家中毒によるもので、下剤のみに頼って排泄する習慣がつきやすい。 1、便秘の試験法 次に、硝酸蒼鉛または骨炭末をあたえると、24時間以内に黒く変色した便を排泄する。しかしながら直腸に達するまでに72時間以上を要するときは便秘であると判断する。そして便が24時間以上直腸に滞留しているときは便秘の原因は直腸にあることがわかる。 2、便秘の種類 便秘には痙攣性、無力性 ...

Afina現代語訳112、腸の拡張反射

腸の拡張反射は次の方法によって喚起することができる。 1、腹壁の刺激 これによって起こる拡張反射は刺激した部分とその周囲にのみ限局したものである。 2、T11の圧迫または叩打 収縮反射と同じく左側を圧すれば左側のみ拡張し、右側を圧すれば右側のみ拡張する。椎骨棘突起の叩打または両側圧迫によって腸全体の拡張をきたす。その程度は、収縮反射に比べれば顕著ではなく、持続時間もまた短い。

Afina現代語訳111、腸の収縮反射

腸の収縮反射がおこるかどうかは、打診してみて鼓音が濁音に変わることで察することができる。ところでこの反射は内臟反射中もっとも長く持続するものであり、5分間以上におよぶ。とくに小児では大人よりも持続時間が長い。この反射現象はL1、2、3棘突起の叩打または椎側の強圧で喚起することができ、左側を圧するときは左側のみが収縮し、右側を圧するときは右側だけが収縮する。棘突起の叩打の場合は両側に反射現象が引き起こされる。

Afina現代語訳110、腸

腸の運動は中枢神経によって支配され、小腸は迷走神経および内臓神経より遠心性に支配されるという。しかし臨床上、頚筋伸展試験によって心臓や気管、および胃の収縮反射は怒るけれども、腸においては打診上なにも変化が起こることはない。

Afina現代語訳109、胃の治療法の要約

胃の疾病を器質的なものと感覚的なものとの二種類に分類し、前者は潰瘍や腫瘍のようなもの、後者は疾病ではないたんなる症候のみのものを指す。 慢性の消化不良症には、神経の衰弱からきているものが多く、胃壁の運動力の不全により中等度の胃拡張を起こしているものである。したがってその療法は迷走神経の亢進をはかり、胃の収縮反射を喚起し、場合によっては幽門を開かせるなど、それぞれ症状にあわせて方法を選ぶこと。 胃の収縮反射を起こすには、L1、2、3の打療法を施し、迷走神経の亢進を目的とするときにはC7の打療法を施すこと。 ...

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Afina現代語訳108、幽門拡張および収縮反射

迷走神経の亢進によって打診上胃の位置を確定し、T5を強打するか、または圧迫器でその両側を圧すると、胃は垂直に位置するようになり、次に幽門は指3本ぶん開大する。しかしT3、4を圧すると幽門は収縮する。これを幽門の開閉反射という。 (附言) ボヘミア人は民間療法として暴食後に苦痛を感じたときには膝でT5を圧して治めるという。幽門に癌腫があるときは拡張反射をおこさない。 幽門の拡張反射を応用するのは次の場合である。 1、幽門の痙攣を緩解させるとき。 2、服薬の吸収を促したいときや、吐気をもよおす可能性のある薬品 ...

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Afina現代語訳107、胃の収縮反射の診断上における価値

打診上の価値はすでに述べたように、以下、胃の運動力および疼痛の位置の診断について述べる。 〔胃の運動力の試験〕 迷走内臓検査法によって胃の下縁を打診し、次に半月形部強打すると、その下縁は退縮(第34図のAからBへ)し、これによって胃壁の運動力を知ることができ、そしてその差は通常2cmから4cmにおよぶ。 〔疼痛の試験〕 上腹部に疼痛または圧痛点があって、それが胃に関するものなのかどうか知るためには、強く半月形部を打つとわかる。胃壁に問題があるときには、胃壁が収縮するのでX1からX2へ昇る。しかしそれは、1 ...

Afina現代語訳106、胃の収縮反射の打診上における価値

胃の収縮反射の打診上における価値 胃の打診によってその上縁および下縁を明瞭に知ることは簡単ではないが、迷走内臓検査法をつかえば打診しやすい。 「胃の迷走内臓検査法(Vago-Visceral method)」、これをおこなうには、患者の頚部を徐々に強く後方へ伸展させること。そうすれば、迷走神経は亢進し、臨床上胃の収縮反射を起こし、立位で軽打すると濁音を呈するに至り、境界が非常にクリアになる。 L1、2、3の叩打は、胃の打診法には適さない。なぜなら腸も同様に収縮させてしまうからである。

Afina現代語訳105、急性胃拡張

近ごろ外科手術の後に急性胃拡張をおこし、非常に予後の不良なものが少なからず報告されている。それは急激におこり、たいていは虚脱の症状に次いで多量の液体を嘔吐する。その原因はまだわかっておらず、したがってその治療法も対症的にならざるをえない。しかしエブラムの研究によれば、麻酔剤の吸入は迷走神経にある胃の拡張繊維を刺激し、同時にこれは心臓の機能を制止する作用があり、あらかじめ鼻粘膜をコカインによって麻痺させておけば、クロロホルムやエーテルの吸入によって胃および心臓に影響を及ぼすことなく、胃の拡張反射に対しては最 ...