2015 ゴッドハンドを科学する。

「ゴッドハンドを科学する。」1−6

資料も用意してきたし、やることもたくさん用意してきたんですが意外に時間がないなという感じにはなってきて、逆に予告したことでこれだけはやっておいて欲しいんだけどっていうことはありますか?

予告4つくらいあげましたよね、咳を止めるだとか。

(誰か話しだして)はい。あ、「徒競走で一番」!! 徒競走で一番はですね、交感神経レベルをちょっとあげてあげればいいということですね。交感神経が、どういったらいいのでしょうか、運動がしやすいように交感神経レベルというのはちょっとまず上がるんです。そして骨格筋に血流を増やして運動を準備するというのが交感神経ですね。だから交感神経と運動神経、運動神経と言っていいかな、うん、運動神経というのは一緒にあがっいくものだと、これ連動するものだと思っていてください。だから交感神経レベルを下げたいなっていうときにちょっと立ってくださーい、ちょっと寝てくださーい、はいもう一回立ってみたいなことを繰り返しているとあんまり下がってこない。下げるためにはまず横に寝かせて抑え込むみたいなことが必要ですけれども、逆に徒競走で一番を撮りたいという時には交感神経レベルを上げてあげればいい。しかも交感神経レベルをどうやってあげるのかというと、いろんなやり方がもちろんあるんだけども、一番おすすめなのは、足を叩くのがおすすめかなと思っています。足をバーンと。足をこう、ぼくはね、よく足の裏というか踵を叩いていますね。バシバシ叩くと。ちょっと強めにバシバシ叩くと。

(また手が上がる)はい。「腕の方で強くなりたいっていうのを教わったんですけれども」・・・ぼくが教えましたか?「違います。教わったんですけれども。同じようなことを」ああ、同じ効果です。だから徒競走じゃなくて大丈夫。徒競走、足でやるから足というわけではなくて、足がこれちょっとわかってはないんですけれども、足の刺激がどういったらいいんでしょう、副交感神経に作用せずに交感神経レベルを上げることができる唯一の場所ということになっています。これはまだ研究が進んでいなくてまだ途中なものらしいんですが、西條一止っていう何でしょう、鍼灸の科学化の第一人者がいますけれども、西條先生のホームページに最近、発表されているものがありますね。ので、ま、足を叩いてあげると。全然違うと思います。ま、めちゃめちゃ足のはええやつに関しては関係ないけれども。もうこれ以上無理っていう、アスリートって結構そういう人いますから、ね。もうこれ以上無理っていうのは無理だけど、かなって思います。

他にあと、何があったっけ? 胃の痛みを止めるのは話したかな。

咳。そしてもう一つ何か言ってた、何か・・・あっ鼻づまり。鼻づまりも、鼻づまりっていうのは副交感神経レベルが上がっていて、鼻の中の毛細血管が充血しているというのが鼻づまりです。なので、交感神経レベルを上げてあげればいい。なので平手打ち(笑)バーンって叩けば、スッと通りますね。あと、頭をバーンって叩けば、スッと通ります。均整法で鼻づまりの操作ありますよね。うつ伏せにしておいて踵のおしりにつかない方をバシっと叩くと。あれもだから運動性の刺激を入れていると。運動性刺激、運動神経が興奮してくるのと同時に交感神経レベルが上がると。そして副交感神経レベルを抑え込むと。いう刺激だという説明ができるだろうと思います。もう一つその足の裏で鼻づまりを取るというのをやっていますけれども、あれは圧-自律神経反射ですね。下半身に圧を加わえて上半身の交感神経レベルを少し上げると、いうことをやっています。、、、かなぁ。という感じですね。

ちょっとあと、ちょっと今日せっかく準備してきた資料なので、ちょっとだけ見て行くとね、9頁。交感神経がやっていることということで、交感神経のそれぞれの効果器に対するレベルが書いてあります。目であればT1、T2ということですね。T1T2から出た交感神経が交感神経幹に入って上行して上頸交感神経節から目に入ると、いうようなことが書いてあります。

10頁、副交感神経がやっていることと、副交感神経というのは交感神経というように全身で効いてくるものではありません。部分部分ですね。頸から上、お腹、あるいは骨盤の中ということになっています。

次、11番、内臓をはっきりと読み取るということで書きました。これはけっこう面白いだろうと思います。これ、内臓求心性神経ですね。内臓の求心性ということです。内臓がどういう状態にあるかと神経が何を読み取ることが出来るのかというのの、研究のある程度ここまでは進んでますよ、ということがここには書いてあります。迷走神経、内臓神経とか骨盤神経とか書いてあって何のことかわからないということがあるかもしれないけど、迷走神経というのは副交感神経だし、内臓神経というのは交感神経。そして、骨盤神経というのは副交感神経。で、下腹神経というのはまた交感神経、というふうになっています。

そして12頁が自律神経反射の3種類と。内臓-内臓反射、体性-内臓反射、内臓-体性反射と。一応この3種類しかないことになっていますね。ので、覚えておくと、説明するとき何かにはすごく便利だろうと、思います。

次13頁、胃が痛いのはどうしたらいいだろうかと。とりわけ交感神経のレベルで痛みというのは知覚されているので脊髄反射を起こすと、胃が痛いときには背中を緩めてあげれば胃の痛みは取れる。あるいは、腹壁の緊張をとってあげれば、胃の痛みは取れると。腹壁も脊髄レベルで刺激が入るので、脊髄反射が起こるよと。で、食欲を増やしたいよっていうときには脊髄反射よりは上脊髄反射のようなやさしい、副交感神経に入るような刺激が良いだろうと、なっています。それこそ頸の前で迷走神経をはじいてあげるとかね。そういうことやってもいいだろうけれども、まぁ、頸をはじくような刺激はあんまり好まれるものではたぶんないですね。

で、次14頁。脳神経の中の迷走神経。迷走神経の分類に関して左と右があるということですね、それについてどうしようかな。簡単に言ってしまうと、左が前、右が後ろですね。左が短くて右が長いです。で、迷走神経というのは左も右も絡み合っていて、その中の太い繊維ですね、太い繊維が、中心になる繊維が左が前にいって肝臓で終わります、肝臓胆嚢を支配して最後ですね。で、右側、右側の迷走神経というのはどこまで行っているのかというと、大腸の横行結腸まで行っていると。場所で言えば、一番下は右の鼠蹊部あたり、盲腸なんかがあるところ、というのが右の迷走神経の立位時での最後というところですね。消化管の最後としては横行結腸の最後あたりまで行っていると。じゃあ下降結腸は何かというと、これは骨盤神経が支配していると、いうことで棲み分けがなされています。迷走神経も棲み分けがなされている、ということですね。これを覚えておくと非常に便利です。

で、咳はどうやったら静まるの? と。咳っていうのはさっき言ったように迷走神経の緊張なので、交感神経レベルを上げてあげればいいということですね、だからこれも均整法の操作で、胸鎖乳突筋をつまんじゃうという操作がありますよね、そうすると、つまんじゃうといっしゅん咳がでます。ただ、ずーっとやっているとレベルが下がっていって咳が止まってきます、というものです。

で次16頁行きます。このへんはちょっと走っています。全てお伝えするのは難しいかなと思いますので、全体だけね、いってみようかなと。

で16頁、参考にした本が、本を並べて、参考文献というのは出した方が良いかなと思ったんだけども、参考文献出せないなと思って。出せないなというか出せるんだけど、あの、量が多いなと思って。せっかく量が多いんだったら編年体で並べてみちゃおうかなと。自律神経の研究と、体性-内臓反射の研究ですね、それを編年体で並べてみました。最後の方は現在にどんどん近づいているわけだけれども、現在に近づいていくと、ぼくの生まれた年とかが書いてあったりして、それはネグってもらっていいと思います。ま、ぼくがいくつくらいの時にっていうのがあった方が、ぼくの中でわかりやすい。みなさんもだから自分が生まれた誕生日とかを書いておくと、その前後ということで理解しやすいだろうと。自律神経ってそんなにだから研究が長いわけではない。とりあえず120年くらいですか、その中で例えばアシュネル反射って、目を抑えると交感神経レベルが下がるとかそういう反射がありますけれども、これが自律神経反射の代表的なものですけれども、これなんかも100年たったくらいですよね、ちょうどね。っていうのが見えてきます。というわけでこれはいつかこういう話をしたいなと思います。

で次20頁。ちょっと忙しいですけれども走りまーす。圧-自律神経反射ですね、これ、あいちゃってて埋める時間はないですれども、いつか、どっかで。いつかどっかでってみなさんで調べて書いてもらってもいいかなと思うんだけれども、圧を加えると交感神経レベルがそちら側で反側で、ハンソクっていうのは半分ね反則じゃなくて。半分の身体でレベルが下がると。下半身を抑えると上半身の交感神経レベルが上がるし、左を抑えると右が上がると。だから汗をコントロールしようと思えば顔汗を抑えたいとなれば、上半身のとりわけその神経点ですね、肋間なんかを抑えてあげると顔の汗はひいてくる。その代わり、汗というのは全身の中で出ている量が決まっているものなので、下半身に汗をかくと。だから帯を締めると汗をかかないというのはこの反射を使っています。使っていますというかこの反射が現れているものですね。だから帯をつけている人たちは下半身が汗だくだと、いう言い方もできるかもしれない。で21頁が汗をコントロールしたい、

22頁が鼻、23(頁)が徒競走、24(頁)が簡単に自律神経をコントロールする方法ということで書きました。交換神経レベルをあげると、どうしたら良いのかと。さしあたって下げるのはお伝えしましたね、交感神経レベルを下げるには今回フィーチャーした部分で言えば、星状神経節を抑え込むと、そうすると交換神経レベルは下がりますよと。姿勢で言えば横になれば交換神経レベルは下がるし、時間帯で言えば夜になってくれば交換神経レベルは下がってきます。というね、これも埋めていきたいなとは思っていますので、続きがありますという感じになりますけれども。なので、ここでプリントはもう離れていいかなと思うんですが、調整をする時に交感神経レベルを上げてあげたい相手というのは当然いるだろうしそれは例えばアレルギーのある人なんかに関して言えば、今このアレルギーを抑えてあげたいとなれば交換神経レベルを上げてあげると、そうすると症状は一応治まります。けれどもですね、交感神経レベルを上げるばかりがアレルギーの調整ではないということをぜひ覚えておいて欲しいということです。実際のところ、アレルギーの出ている人というのは交感神経レベルが下がってて、副交感神経レベルが上がりすぎていて症状を出しているんだけど、その、全体として言えば、交感神経レベルが上がりすぎた状態が続きすぎてて、疲れて落ちているということが多いということです。だからこれを戻してくるために運動の指導が必要になるということ。自律神経を直接刺激するというよりは、運動性の刺激を入れてあげて、それこそランニングをするだとかね、個人的に言うと。筋肉トレーニングをするだとか、ということで間接的に交感神経レベルを上げてあげる。そうすると夜ゆっくり眠れるようになるっていうそのリズムを作ってあげるということですね。

不眠症なんかで夜眠れないっていう人たちがいるんだけども、僕が言うことでは全くないんだけれども、それは何かというと、結構な割合で心持ちの問題だったりします。何が心持ちが問題かというと、明日すごい大変なことがあるから寝れない、困るんだ、明日の準備のためにオレは寝るんだと思うと寝れるわけがないんですよ、そもそもね。それは順番が逆だということ。充実した一日を過ごしたあとで、ご褒美として睡眠があると。で、その睡眠が次の日の準備をしてくれるという順番を考えたほうがいい。どちらかというと、ということですよね。明日の準備のために今日寝なきゃ、じゃもう遅いんですよ。明日の準備、明日のメインの仕事があるから今日頑張って夜ゆっくり寝て、そして明日に備えると。もう一段階遡った方がいいと。で、そういうリズムをつけていくことで自律神経っいうのは整っていきます。なので、我々が調整をする時にはそのきっかけを与えてあげる、きっかけを与える、もしくはリセットをかけてあげるというのが最重要。

交感神経レベルを上げるんだ上げるんだーということで、そのアレルギーなんかに対応していたのではアレルギーは治ってはこないだろうと思います。具体的な例をあげると、花粉症の時に星状神経ブロックをします。麻酔科でですね、ペインクリニックとか麻酔科ではそういうブロックをしますけれども、交感神経レベルを下げちゃってアレルギーが治るだろうか、治らないですよ。でも症状は良くなっていく、っていうのはきっと、なぜか理由はわからないということで麻酔科の先生がおっしゃいますけれども、それはきっとリズムを整えているんだろうということですね。交感神経レベルを下げる。効果があるとすると、効果があるというか大きく身体に影響することとしては、交感神経レベルを下げるというのは普段の生活の中でそう大きくあるものではないので、身体がリセットされるという意味でそこに星状神経節にブロックをかけると、そうするとアレルギーが自然と治ってくると。間接的なものなんだということをぜひね、これはまあ、定説ではないですけれどもきっとそうなんだろうと思います。そして普段の生活の中で、生活の中でっていうか、ぼくにとっては生活ですけれども、臨床の中で施術をしてて効果があるんだというのはそういうこと。だから朝調整をしたときにはいくらか交感神経レベルをさげすぎないようにして帰してあげる。で、夜帰すときにはいくらか副交感神経レベルが上がるようにしてあげて夜ゆっくり眠れるようにして帰してあげると。だから時間帯によって調整のやり方も変えた方が 効果的だろうし、調整をやるときも交感神経レベルを上げたいっていう時に寝かせておいて一生懸命刺激をしていたのではなかなか効果は上がってこないということですね。もうちょっとだけ言うならば、交感神経レベルを上げる、たとえば背中をバンバンと叩けば交感神経レベルというのは上がるので刺激止めですよね、刺激止めをして帰すというのは朝方、お昼の調整にはとても有効だろうとは思いますけれども、夜やるときには夜調整をやって帰すときにはわざわざ刺激止めをする必要はないのではないかと思っています。刺激止めってなぜ刺激は止まるのかというと、あれは交通事故の軽い版みたいな説明をすることがあると思うんだけれども、交感神経レベルが上がると恒常性がドンとあがるので形も止まるということです。形が止まるというとその、筋肉に一定の緊張感が出てくるということ。だから、肩が下がっているものを肩をあげてバーンとやると形が止まっちゃうと。筋肉はある程度収縮させているということですね。だからこれをものすごい頑張れば、バシーンと、バシーンといれちゃえばそれはしばらく形は止まりますけれども、これ交感神経レベルを上げているんだろうと。もちろんそれだけではないかもしれない、他の説明もあるかもしれないけれども、刺激を止める、例えば刺激を抜ける、刺激を抜くっていう緩徐に叩打というのもあるけれども、緩徐に叩打っていうのは交感神経レベルを下げているんだろうと理解しています。これが刺激止め刺激抜きの理由の一つだろうなぁと理解しておくといいだろう、まあ少なくともそれは少なくとも絡むだろうというのは理解しておくといいですね。そうやって理解しておくとその調整のやり方にも納得がいくというか、結果を出すのにはこういうことを考えて刺激をしていくといい結果が生まれるのではないかなと思っています。えーと何分まででしたっけね。あと10分まで・・・あそっか、もう完全にまとめるつもりで今話してましたけれどもあと7分ほどあるらしい(笑)もうちょっと話します。

そうですね、ちょっと一休みしようかな・・・質問とかありますか?
とりあえず「ゴッドハンドを科学する。」はぼくが考えたんじゃなくて、友達・・・そういう逃げ方をする必要はないんだけども、友達が考えてくれてぜひこれを使いたいなと思ってます。科学できたでしょうか?

質問ありますかー? 臨床の中での質問だとか、ここ埋めたいんだとか、はい。

「交感神経幹の話があって全体の交感神経と副交感神経の話があったんですけれども、それを踏まえて分節の話で、分節でというか(キキトレズ)交換神経幹に入れてもいくら分節に入れても全体が効果が出て、分節へ効かないようにも思えたんですけど分節は効かないって考えていいですか」

大変いい質問ですねー。まさかそうとは思ってないと思いますけれども、もちろん分節に効果があります。ニューロンの接続の問題なんですよ。交感神経というのは一度、ニューロンを介して飛び越える訳だけれども、シナプスするという言い方をしますけれども、シナプスするんだけども、場所が変わります。場所が変わるというのは、脊髄をでました、交感神経幹に入ります、そこでシナプスしてもう一回脊髄神経に戻ります。そしてそこから体性に行きますっていうシナプスのラインと、脊髄を出ました、交感神経幹に入りました、そこでちょっとレベルを変えてそこから今度は大内臓神経に入ります、これまだシナプスしてないです、節前線維なんです、まだ。で、大内臓神経に入りました、でシナプスしてそこから効果器に行くというものもあるんです。なので、分節の効果というのは顕著にでます。全ての交感神経のラインが交感神経幹でシナプスするわけではなくて、神経節の中でシナプスするのは決まっているんだけども、神経節というのが、交感神経幹そしてその次に大内臓神経あるいは小内臓神経、いろいろありますけれども、そういうところに行ってそこからさらにまたシナプスする、次のラインにバトンにタッチするということはありますね。で一つだけその中で例外があって、それは副腎髄質ですよね、副腎髄質というのは神経節が変形したものなので節前線維がいちどもシナプスせずにそこにたどり着くと、いうことをやっています。だから単純に考えると背中の刺激で一番ダイレクトに 効果を及ぼせるのは副腎髄質だろうということが言えると思います。臓器で言えば。という感じで大丈夫でしょうか。

「はい、ちょっと難しくてわからなかったんですけれども、そうすると施術で考えると交感神経幹の交感神経のレベルで考えて設計をするのとその個々の分節で考えると先生的なおすすめは、今日で言うと交感神経幹かなと受け取ったんですけど、そっちを重視した方がいいっていうことですか」

さすがです。

「それか神経幹だったらおすすめはどっちでコントロールした方が正解ですか、要はどっちが効果が出ると考えていますか」

それはね、モノによります。モノというのは、モノって言っちゃうとあれですけど、クライアントに因ります。あとそして施術者にも因りますよね。交感神経幹がしっかりと抑えられるとなればそれはもう抑えちゃったほうが話は早いことの方が多いとは思うんだけれども、分節で刺激をする方が簡単。それはなぜなら背中を触ればよいことだし、お腹を触ればよいことで、これは素人だってできますよね。なおかつ、その、あーそっか、もう一回整理して言うと、中級者向けに言うと、まぁどっちかですよね、どっちかって言われると、中級者向けには交感神経幹、初級者向けには脊髄分節、そして上級者向けにはさらに分節だと思う。分節のほうが刺激はしやすいけれども、この分節の差ですよ、ね。どこ のレベルで入れたらどの刺激が入るかっていうレベルを考えることができるっていうのはそうとうやっぱり勉強してないとできないだろうし、腕が達者じゃないと難しいだろうと思う。ので、全体に効かせるには交感神経幹を抑えちゃうのが簡単、もし分節がしっかりと読み取れて、生理的な作用がわかっているのであれば分節で刺激をした方が限局して刺激が入るので上等な刺激にはなる。ので観歪法が素晴らしいという話ですよね、あ、脊髄神経反射法はすばらしいという話。はい。え、そこにもっていきたい話ではないのかな。

「大丈夫です。参考になります」

非常になんというか、説明しやすい質問でありがとうございます。

「観歪法は上級者向けってことですか」

もっちろん、です。僕が想定している上級者向けですね。

「ぼくたちみんな上級者だ」

我々はもう完全に上級者ですよね。今日のは復習です。ほんとですよ、ほんとみなさん素晴らしい手技を勉強されてねぇ、ぼくが言うのはエラそうすぎるけれども。
そう、ぼくが一番きょう話したかったのは本当はというか、交感神経幹なんだけれども、いちばん話したかったのは年譜ですよね。編年体でまとめてこれで亀井先生がいかほど素晴らしいのかという話をしたかったなとは思っています。その時代時代の最先端に合わせた話を亀井先生はされています。これはね、手技療法の世界ではとてもすごいことだなと感じていますね。なので今の生理学から振り返って亀井先生がよくわからないことを言っているという部分もちょこちょこ出てきます。たとえば脊髄副交感神経だとか栄養神経の話だとか、栄養神経なんていまどきありはしないし、脊髄副交感神経というのもほとんどないと、ほとんどないというかそんな話をする人はいませんけれども、ただですね、当時、当時その、冲中重雄という人がいて、これはもう世界的な自律神経の第一人者と言っていいと思いますけれども、日本の生理学の始まりの人と言っていいと思いますけれどもこの人がですね、恩賜賞ですね、恩賜賞という、その業界中の学会の世界で、学術の世界で一番権威のある賞ですね、これを受賞したことがあって、これを受賞したときの理由としては、「脊髄副交感神経節の研究」ですね、これによって恩賜賞をいただくというようなことがあります。というようなですね、そういう最先端の研究を亀井先生は手技療法家に伝えていったと。そして亀井先生は亡くなって、特に言い訳する人もいないので、その後そんなものはないんじゃないかとかっていう話にはなったりはするけども、そういうものは当 時あるとされていたし、当時あるとされていたのもなぜならば、臨床から遡ってですね、理論から紬ぎだしたものではなくって、栄養神経も。例えば、三叉神経がやられちゃうと目の角膜の栄養が乏しくなっちゃうという病気がありますけれども、これから遡って三叉神経の中に栄養神経というものが、目の栄養神経があるのじゃないか、というこれは説ですよね。これは当時の研究。今はそういうものはないことになっていますけど。今の説明で言うと、三叉神経に刺激を入れると副交感神経に刺激が入って目の中の血流が良くなって目が栄養されて、しっかり目が、栄養されるということですね。だから栄養神経というものが実際あるのかないのかというよりは、そういうその三叉神経に刺激を入れると目が栄養されるというのを説明するために栄養神経というものは見つけられたというか、説明されているので、それがなかったとしても我々手技者にとっては実はあんまり関係のないことであってというか、三叉神経を刺激すれば目が栄養されるとこれは現代の生理学ではここまで遡るのは非常に難しい、にもかかわらず亀井先生がそれを言い残していてくれたからこそ我々はそれを理解することが出来るということです。つまりガラパゴス的と言ったらいいのかもしれない、もしかしたらですよね、ガラパゴス的に昔の宝物が残されているのが均整法であるとい言い方ができるだろうと思います。手前味噌ですけれども。はい、ということでですね、11分ですね。

はい、ということでみなさん大変、均整法を学ばれてらっしゃってて・・・学ばれてらっしゃっててって何者だ俺。すばらしい手技療法ですよね。今後もこれを発展させていくと。で、亀井先生がおっしゃっていたことをさらに検証していくということが今後、より重要になってくるだろうと。ガラパゴスがガラパゴスのままではどこにも伝わっていかない、忘れ去られていくだけだということです。あ、じゃあよろしいでしょうか。

以降田川先生からアンケートの案内等のため省略。
姿勢を正して、先生に礼。「ありがとうございました(拍手)」

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