大動脈瘤は臨床上、徴候を示すものとそうでないものがある。たとえ徴候がみられたとしても動脈瘤によるものかどうかはわからない。大動脈反射喚起法によってその徴候が消失するかどうかを待ってはじめて確定することが多い。大動脈瘤は予想に反して珍しいものではない。これによって死亡するものはエメリッヒによると全死亡率の0.6%、ミュリエルによると1.49%であるとのことである。 動脈瘤の好発部位は、その3/4は大動脈であり、95%は胸部で占められ、そのうち90%が嚢状瘤腫である。80〜90%は男性、年齢は30〜50歳の間 ...