2心臓拡張反射
D9、10、11、12を迅速に叩打すると心臓は拡張反射をおこし、心濁音部の拡大が観察される。しかしこれを狭心症に応用すると、真性のものであれば発作は速やかにおさまる。
オリバーは心臓の拡張によって胸痛の止まった例、ブロドべンドは僧帽弁不全閉鎖になって以来、狭心症発作が和らいだ例を報告している。
それらは、心筋が仮に心臓反射の作用によって収縮することがあったとしても、健康な心臓に比べて微弱であるから、冠状動脈の圧迫が強くなかったからだと言う。
狭心症患者はその間歇時においても、人為的にC7叩打または心臓部を強打することで引き起こすことができる者で、心臓収縮反射は冠状動脈の圧迫となる。