クロード・ベルナールの血管運動神経の研究のよれば、ウサギの頚部における交感神経を切断すると、同側の耳の血管が拡張する。しかしその末梢を刺激すると耳は蒼白となる。
いま試みに熟練した医師が指頭で脊椎を強圧すると、一定の脊椎にいたれば血管の収縮または拡張するポイントを発見することだろう。収縮現象はすぐに現れ、拡張現象は持続的圧迫によって現れる。
その中枢は延髄にある。そこから脊髄にはいって前根に出る。これらの繊維は血管の大きさを左右するものであり、持続性の刺激は血管の張力を保持する。
大動脈拡張反射は、血管拡張反射を刺激することでおこり、その中枢は延髄および脊髄の全長にわたって後痕より出る。
臨床的に、これらの拡張&収縮神経を刺激するには、C7を叩打すると血管収縮し、これに反して拡張させようと思えばT10を叩打すること。
エブラム氏がはじめて大動脈反射を発表したときはいろいろな議論を呼んだが、ウルブリッヒにおいて死刑に処せられた人、死後すぐに大動脈が電気によって収縮することが見られた。さらに臨床上、X線や打診によって反射現象を著明にみることができるようになって、もはや疑いを挟む余地がなくなった。
動脈瘤においては瘤の一部が変化することなく他の部分が収縮することがある。動脈瘤が拍動するあいだはまだ収縮力があると判断する。