古くローマの金言に「治療の結果で疾病の性質を知る」とあるが、じつに今日においても、わざわざ独立した疾病として記載されているが、たんに一つの症候に過ぎないというようなものは少なからずあり、血管運動神経の疾患においても、その治療の結果により次のように分類する。
甲 血管攣縮性
症候、刺激によって血管の反射作用をおこさない。皮膚は知覚異常を呈し、局部は血液供給異常のため新陳代謝および機能の障碍をきたす。
- 間歇性跛行
- 一時的発作麻痺。失語症。半盲症(脳の血管の攣縮に起因する)
- 坐骨神経痛における下肢血管の反射的攣縮。不全麻痺。知覚障害および攣縮。
- レーノー病
- 片頭痛
- 肢端知覚異常症(アクロパラセシーア)
乙 血管麻痺性
症候、皮膚は斑紋性外観を呈し、自覚的熱感、知覚異常(知覚および疼痛の過敏性)。とくに焼灼感がある。
- 紅肢症(エリトロメラルギー)
- 踝関節痛(アクロデニア)
- 動脈瘤
- バセドー病
- 鼻カタル(一部の)
- 四肢の冷感。
- 神経性血管麻痺。
- ある中毒症状。