第一 肝臓の反射
(イ)肝臓収縮反射
肝臓の収縮反射は以下の方法で引き起こすことができる。
1、肝臓部の皮膚刺激。
2、肝臓のあるどの部分でも打診板をあて、打診槌で強く連打。
3、L1、2、3、棘突起の叩打または両側の圧迫。
4、C7の叩打。
これらのうち、3がもっとも顕著に反応する。打診上、肝臓の下縁を知るには少し体幹を反らさせて、助手に後から脊柱を支持させておいておこなうこと。
(ロ)肝臓拡張反射
肝臓の拡張反射は次の方法によって引き起こすことができる。
1、指頭でつよくT11の右側を圧迫する。
2、T11棘突起を叩打する。
肝臓の収縮反射現象は、L1の打療によって乳頭線上においてその濁音は12cmから7cmに減縮する。一方、拡張反射現象はT11の打療によって乳頭線上において12cmから16cmに拡張する(第36図および第37図の点線は反射現象)。