二 脊髄節の位置
各脊髄節からおこる脊髄神経が分布する皮膚の知覚区域は第18図に示す通りであるが、その分布する範囲の知覚を麻痺させようとすれば、その起こる各節は第何脊椎棘突起に符合するかをみて、所定の脊椎棘突起を3分間叩打すると、末梢の皮膚分布区域は麻痺する。しかしそれは痛覚のみで、触覚は麻痺しないことがある。
この療法は末梢の知覚過敏で正弦波電流を用いることの出来ないとき、脊椎打療でその部分の皮膚を麻痺させて3倍強力な正弦波電流を用いることが出来るようになる。たとえば坐骨神経痛の患者でいえば、その部分の皮膚は第9、10、11胸髄節に相当するので、第5、6、7胸椎棘突起を打療すると、数分間で知覚過敏が消失する。
[第18図]
脊髄節と知覚区域
[第19図]
脊髄節と知覚区域に相当する脊椎棘突起を示した図