2014 脊髄反射的療法、現代語訳

Afina現代語訳39、臨床例「仮性股関節炎、手術後の疼痛、腹膜結核、」

仮性股関節炎

佐◯ 某女 38歳

 一昨年、腸チフスに罹り全治した後、肺および腹膜結核を続発し、加療中左側下肢の運動障害および股関節より上腿に波及する疼痛出現。しかし腰椎の圧迫により疼痛および運動障害は消えて、起臥自由となる。数週で再発することもあったが、毎回この療法で征服した。

手術後の疼痛

大正4年3月  永◯ 某女 42歳

 右側卵巣腫瘍摘出のため、開腹手術をおこなった。のち二週間後はげしい腰痛を訴え、鎮静剤の注射も一時的にしか効かず、夜間の睡眠も充分にとれない状態。もしや手術部に何らかの変化をおこしているのではないかと、大きく心配させられた。しかし夕方、L3両側の圧迫を試みてみたところたちまち疼痛が消失し、その夜は安眠。翌日も何らの苦痛なく談笑。そして数週足らずでニコニコとして退院した。

腹膜結核

大正4年6月  秋◯ 某 13歳

 腹膜結核、腹水あり。大正4年夏、開腹手術を行った。その後、腹腔内を精見すると腹水のほか小腸の一部に結核および、そのために生じた輪状の狭窄部が見つかった。これはきっと手術前につねに腹痛を訴えていた原因に違いない。しかし手術後も依然として一日一回発作的に腹痛があって、少量の鎮痛剤を与えても容易に鎮痛しない。よってT11両側の圧迫を試みてみると、たちまち鎮痛した。それ以来発作のたびに看護婦に圧迫させ、数日のうちに全く痛みを出さなくなり、栄養の開腹を待って退院した。

附言:T11は腸の腸の拡張反射をおこすので狭窄症状に伴う疼痛を緩解する。

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