2014 脊髄反射的療法、現代語訳

Afina現代語訳43、仮性内臓疾患

第一章 仮性内臓疾患

脊髄神経がときとして内臓の疾病のように神経痛をおこし、胃、心臟、腎、腸または膀胱の疾病と同じような症状を呈することがある。これに対して内臓自体の疼痛として治療を加えても何ら効果はない。そしてこのような症状はとくに肋間神経において多くみられる。しかし肋間神経は交感神経との吻合により多くの仮性内臓痛を表現するものだからである。

そもそも脊髄神経の胸部における分枝といったら上部においては胸壁にだけ分布するが、第7以下、第11の下部までいくとその一部は胸壁に、ほかの一部は腹壁に分布するものだから肋間神経という名称はしばしば誤解をよぶ原因である。脊髄神経根部の疾患で末梢に疼痛を訴えることはよくあり、肺炎または肋膜炎であるにも関わらず腹部や腸骨窩に疼痛を訴え、診断を間違わせることが少なくない。

〔神経痛〕はふつう一側を冒すことが通例で、発作性にくる。神経の経路に圧痛点がある。疼痛に伴う症状としては、知覚障害、血行の変調、つまり貧血または充血、分泌更新、栄養神経障害、および限局した筋肉の痙攣などである。

神経痛はただひとつの神経に限られるが、発作が極度に達するときはほかの神経に波及することがある。なお間歇的に疼痛が来るものだから、この原因を簡潔熱にもとめる人がいるが、神経痛は原因の如何にかかわらずすべて間歇的なものである。梅毒が原因の場合もあるが夜間発作がないときにはほかの原因を探すこと。

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