第二 仮性盲腸炎
〔腰腹神経痛〕
本病は腰髄神経叢第6文枝の神経痛で盲腸炎と間違うことがある。徴候として疼痛は腰部から臀部へ達し、下腹部において恥骨結合部、陰嚢もしくは大陰唇から大腿前面に波及する。圧痛は腰椎の傍ら腸骨(櫛)の中央、陰嚢または陰唇にある。
これらの神経痛を盲腸炎と誤診するのは右腸骨窩における皮膚知覚過敏、および筋肉が限局して攣縮、抵抗している部分を触れることがあり、深部に腫瘍があるのではないかと想像させる。
〔療法〕
脊椎における圧痛に氷結法をおこなえば、すみやかに疼痛は一掃される。