1、真性狭心
- 40歳〜50歳の間に多い。
- 男性に多く、発作は運動によって起こり、定期的におこることや、夜間におこることは希である。
- ほかに症候がない場合。
- 胸部を締め付けられるような激烈な疼痛がある。
- 、疼痛は短時間、患者は無言、そして動かない。
- 、病的な変化としては冠状動脈の硬化である。
- 予後不良。
- 血管に作用する薬品が効果的である。大量なアンチピリンは効果がなく却って増悪することがある。
2、仮性狭心症(神経性)
- 年齢に関係なく、小児にもおこりうる。
- 女性に多く、定期的に、多くは夜間に原因もなく発作をおこす。
- 神経症上を伴う。
- 真性の疼痛に比べて疼痛は軽く、胸部が拡張するような感じを訴える。
- 疼痛は12時間に及ぶことがあり、患者は不安から饒舌になる。
- 神経および心臓神経叢の神経痛である。
- 予後不良ではない。
- 神経鎮痙剤が効果がある。だから多量のアンチピリンで疼痛は消える。
真性、仮性、いずれもコーヒー、タバコ、またはジキタリスなど興奮作用のあるものはすべて心臓反射をおこして狭心症を誘発する。
〔治療法〕
- 治療法は心臓反射をおこさせる方法によるもので、亜硝酸アミールの吸入もまたそのひとつである。もしその吸入がで効果がないときは、鼻粘膜の刺激によって心臓収縮反射をおこしかえって増悪していることが原因と考えられる。そういうときはコカインを塗布して心臓反射をおこさないようにしておくこと。
- 打診(療)法はT10の両側がもっとも効果的である。
- T3、4間の圧迫、または打療によっても速やかに緩解する。これは迷走神経機能を減弱させるからである。