胸部大動脈は所定の脊椎叩打によって収縮または拡張するが、それが生理的な範囲をこえて大きく反応しすぎるときは、胸部大動脈の拡張か、動脈瘤の存在を確定することができる。もし大動脈炎のあるときは、拡張反射は特異な反応を示す。つまり胸骨上部、および縦隔竇(ジュウカクトウ)より肩甲および左腕に放散する疼痛を感じるようになる。
胸部大動脈瘤においても、胸部の前面または背部における濁音部はC7叩打によって減弱し、T10連打によって拡張することがわかるだろう。しかしまれに極度に拡張した瘤壁が収縮力を失ってしまったものがあり、これは反射現象をおこさない。