※神経の分類、続き
末梢と中枢で分けたときに脳と脊髄ですね、脳と脊髄というのは中枢な訳です。そして末梢神経というのはそれ以外と、いうことになります。で、よく混乱するだろうなと思われる部分で言うと、脳と脊髄、そして脳神経と脊髄神経というのがあるということ、これを区別できるようにしておきましょう。脳と脊髄といった場合は中枢神経です。で、脳神経と脊髄神経と言った場合、これは末梢神経となる訳です。脳神経というのは脳から直接出てきた神経のことを脳神経と言っていて、12本、いや12対ですね。12×2あると。そして脊髄神経というのは脊髄から出てくる31対の神経のことを脊髄神経と言っていると。まあ、均整師であれば脊髄神経反射法ということで、類別克服法だとか観歪法だとかというところで勉強しているだろうと思いますけれども、類別克服法のメインとしては、自律神経をどう動かすかというところがメインとなってきます。メインとなってくるんだけれども脊髄神経の調整法なので自律神経だけではないということです。そこが、重要というか、そこは抑えておかないと混乱をきたしてしまうということになります。
で、さらに右側に行きます。中枢と末梢はこれで分類はできましたけれども、末梢神経ですね、末梢神経を分類すると分類Ⅰ、分類Ⅱってこれ書いてますけれども、分類Ⅰというのがですね、これ機能の分類の仕方です。機能ですね、(板書)しくみとか、働き、働きですね。働きということです。神経の働きでわけたときにこの分類Ⅰになります。そして分類Ⅱ、先ほど言った脳神経あるいは脊髄神経というのは構造ですね。構造のことを言っています。だからこれつまり、つまりこれ(はたらき/機能)が生理学的ということであって、こっち(しくみ/構造)が解剖学的ということになります。だから身体のしくみと働きみたいな本がありますよね、あれは身体のしくみと働き、生理&解剖学の本ですよ、ということを言ってるということですね。 身体の人体の、身体のっていった場合はより簡単に説明しようとしているので、身体のしくみと働き、人体のとかっていうと、人体の機能と構造みたいな本は見かけますよね。それはだから生理学的なものと解剖学的なもの、働きと仕組みと。そういう見方で神経をわけるとこの分類ⅠとⅡとなる。というところまではよろしいでしょうか。
で、分類Ⅰですね、働き。働きでわけたときに体性神経と自律神経と。ここでやっと自律神経というものが出てきます。で、体性というものは求心性と遠心性があって、運動神経と感覚神経と。そして、自律神経の方も求心生と遠心性があると。よくあの、感覚神経、運動神経というのはよく聞く話だろうかなと思います。自律神経の求心性、遠心性というのはあまり触れられることはないと。これはですね、ラングレーというもともと自律神経というのを定義した外国人がいますけれども、このラングレーの説明の中に自律神経は遠心性のものとして語られたという歴史があります。だもんだから、求心性のものがあるということに対してですね、未だにですね、未だに混乱をきたしているというところです。で遠心性というのはつまりその中枢から外側に行く、何か働きを起こそうという機能のことを言う訳ですけれども、これを交感神経と副交感神経と言っていると。で求心性のものに関しては全てひっくるめて内臓求心性神経という言い方をしています。
で、交感神経と書いたあとにカッコして、カッコがありますけれども、これをですね、胸腰神経という言い方をしているのでカッコしてみました。胸腰神経というのは構造の問題です。胸と腰のところから出ている神経だよと。で、副交感神経は頭仙系と言いますよね、頭と仙髄。とりわけ有名なものとしては迷走神経があって迷走神経というのは第Ⅹ神経でありますから頭部ですよね、頭、頭と仙。(板書)仙骨の仙ですね、頭仙系です。トウセン系。これは場所で分けているわけですから、これは機能ではなくて構造の問題になってくるというわけです。ということで何となく自律神経がわかったでしょうか。感覚しているものとしては感覚神経、体性の感覚神経があって、そして自律神経の中にも感覚神経があると。自律神経と言ったときに内臓を動かしている神経ですよね、それは正しい訳ですけれども、内臓を知覚しているのも自律神経である、ということをはっきりさせておきましょう。ここは重要なので押さえておきましょうということです。
「求心性と遠心性をもう一度教えてください。よく聞く名前なので」
そうですね、はい。
「もうちょっとくわしく教えてください」
そう、求心性というのは求心です。求心ですって何のことかわかりませんけれども(笑)求心というのは(板書しながら)求心ですね、遠心・・・そうです、あの~こうあって、これが求心です。中枢に向かっていくのが求心。で遠心というのは中枢から作用を及ぼすために信号が送られていくのが遠心ですね。
「それはさっき、足に刺激を入れたっていうのは」
足に刺激を入れたのは、ありがとうございます、素晴らしいですね。求心ですね、求心的に刺激を入れて、そして一度脳で解釈させて遠心に持ってきていると。だからお手紙書きました、お手紙届きますって感じ。遠心っていうのは遠くに飛んでいくもの、で求心っていうのは求心力があるとか言いますよね。求心、ひきつけるっていうんですかね、求心。お薬みたいですけどね、「キュウシン」って。
「ほんとですか?」
いや、みたいだなってことですね。あの、別物ではあります。あれ? 救心は救うですよね。
そうそう、遠心性と求心性、神経っていうのはそういうふうになっていると。神経っていうのはなぜならばモノを伝える、モノを受け取るというのが神経の役割ですから求心性と遠心性と2つあると、2つ機能があると。で、この中で詳しい人にとっては大変大興奮なところかとは思うんですが、自律神経の線維の中の90%が求心性だということですね、内臓がどうなっているのかをうけとる神経だというのは、それで興奮できるっていうのは変態がいるかもしれません。なかなかね、この90%もあるっていうのは知らない。
とりあえずこれだけわかっていれば、とりあえずこれだけわかっていれば、大概のことはできてしまう、と思うんですが。ちょっと次行きましょうか。
ちょっとテストを持ってきてはみました。テストというか、これは答えが下に書いてあるのでそのまま見てもらえればいいと思うんですが、求心性と遠心性っていうのが非常に重要なことになります。とりわけ、ま、ちょっと今、12頁見てもらっていいですか。いきなりとびますけど。あそっか、12頁ない(笑)まさかの12頁ないけれども。じゃあ12頁はあとでちょっと話しましょうね。そう、我々手技者なので何か効果を及ぼさなければならないわけなんですけれども、効果を及ぼすときに当然求心性の刺激を入れると、そして遠心で効かせてくると、この2つをわかってなくてもいいけれども、この2つが作用しているんだというのはぜひね、理解しておきましょう。なので、このあと自律神経の反射についてまたちょっと話そうかと思っています。自律神経反射って3つ、3種類あります。これはあの、12頁に書いてあることなので(笑)ま、あとでまた触れますけれども、内臓-内臓反射というのが1つあります。そして体性-内臓反射というのが2つ目ですね、で3つ目が内臓-体性反射というのがあります。
内臓-内臓反射というのはそれぞれ身体で勝手にやってくれているというものですけれども、体性-内臓反射というのはですね、身体の表面から刺激を入れて身体の中で効果を及ぼしてくれる、これが体性-内臓反射と。
だから胃が痛い、背中を触りました、胃が治りました、みたいなね。治りましたというか痛みが取れましたみたいなことっていうのは体性-内臓反射であって、で体性-内臓反射の中にも2つあります。脊髄反射と上脊髄反射というのがあります。
今、背中を触って胃の痛みを止めましたけれども、止めましたけどっていや架空ね、止めましたども。これが脊髄反射です。デルマトーム上に刺激を入れて、脊髄で反射を起こして胃の痛みを止める、というのが脊髄反射。そして、さきほどはこれは圧-自律神経反射っていう、またちょっと別のものをつかいましたけれども、この圧-自律神経反射ともう一つその上脊髄反射というものがあります。脊髄の上で解釈させてさらに内臓に効かせていこうと。脊髄反射というのは脊髄でいったん刺激が入ってきたものが脊髄でそのまま反射が起こってくる、別のところに反射を及ぼすと。「脊髄反射的に殴る」とかっていうのありますよね。それは一般的な用語というか、あんまり使わないですか? あまり使わないのかな。僕のようなインターネット中毒の人たちはよく使うんですけど、「脊髄反射的だね、それ!」みたいな、頭でろくに理解もせずに反射的に行動を起こすのを脊髄反射的っていう言い方をいます。これに反して上脊髄反射的っていう言い方は一般的ではないのでしないですけれども、いったん脳で理解させてそこで解釈したものを身体に及ぼすというのが上脊髄反射ですね、意外にこういう刺激を我々は使っています。
それはこのあとデルマトームの所も含めてですね、伝えていこうと思っています。
そして3番、まあ見てればいいですけど、なくてもいいです。内臓-体性反射というのも自律神経反射の一つですね。内臓-体性反射というのは内臓の状態が身体の体性神経ですね、感覚神経であったり運動神経に反射してくる。だから胃が痛い、背中が張ってくるというのがこれですね。内臓-体性反射。これで身体の状態をよみとってそして体性-内臓反射で施術を行うと。いうことを我々、やってます。
いやぁ、よくしゃべりましたねぇ。
・・・それじゃあ、えっとですねデルマトームのところ、7頁を見てもらってよろしいでしょうか。そしてちょっと色塗りをやりましょう。デルマトームというのは、さきほど言った脊髄神経が31対ある中の、そしてその中で胸腰神経という言い方をしましたけれども、胸腰部ですね、胸と腰のところから出ている神経、交感神経というものがあります。まあ31対ある中からは体性神経はどの線維からも出ていますけれども、交感神経は(板書しながら)、これが脊柱ですね、脊柱のここですね、Dの一番です。T1とか言いますけれども。Dの一番あるいはCの8っていうね、の場合もあります。ここはまあまあそのいろいろあるってことです。人それぞれいろいろある的なことです。D1あるいはC8からこれも人それぞれあるわけですけれども、一応大きなところで言うとL2、あるとするとL4。2から4という感じでしょうか。これが交換神経の出ているレベル。なので交換神経に直接刺激を入れようとするとデルマトームで言うと、ここがD1ですよね、D1・・・そして足もこのへんでしょうか、L2。ま、図を見て色を塗ってもらえるといいかなと思うんですが。ちょっと遠いですけれどもね、この中でC8って書いてありますよね。C8のところ、ちょっと色を塗ってみましょうか。C8からL2。何色でも大丈夫です。交感神経っぽい色。
「同じ色で大丈夫ですか?」
ん? 同じ色で大丈夫です。むしろ同じ色。で、その間も全部塗っちゃいましょう。全部一色で。そう、先ほど言ったように脊髄反射というのは体性神経に刺激を入れて、脊髄に反射を起こして、直接内臓に刺激が行くというものです。そして、色を変えて、これは副交感神経なんですけれども、Sの2から4ですね。ここから副交感神経の線維が出ています。おしっこを出させる操作とかでこの足の裏側を刺激しますけれども、太ももの裏側を刺激しますけれどもあの辺はS2領域であったり、ということですね。
そう、でこれを乗り越えたところで交感神経幹の話ができるという感じになります。
このデルマトームも概念図ですからね、これがまあ正確にどこまでっていうのはいろいろあります。ちょうど今年の10月にですね、伊藤先生が正確なデルマトーム図をですね、本に出して出版してくれるということですのでこれをぜひ楽しみに。けっこう革命的なものが、だろうと思います。ズレるんですよね、こうね。そうそう、輪っかになってつながっているデルマトームの図ばかりを我々みていますけれども、これがその前肢と後肢で別れてズレてくるという、図を作っていました。楽しみですよね、これはほんとに楽しみです。その、施術業界がガラッと変わるんじゃないかという感じがしています。
交感神経レベルがD1からL3とかまで。そして交感神経がS2から4まで。で、その間のこのS1ですね、S1から、S1からっていうか、L4、L5、S1ですね。ここ何をしているのかと。ここ何をしているのかと言うと、体性神経がものすごい量出ています。なので、解剖学用語で腰膨大、頚膨大という言い方をしますけれども、ここが脊髄だとして、ここがね、特別膨らんでいるんですよ。首もここがぼわーっと膨らんでいます。ここも自律神経が特に出ているわけではなくて、体性神経が出ていると。で、何でここがその膨らんで、それは手足だからたくさん使っているということです。手足だからたくさん使っていて、体性神経がたくさん出ているので、自律神経の入る余地がないというくらいのことで解釈していていいものです。で、それに、その常識的な感じで考えると手足でそんなにその脊髄反射がばしばし起こって、自律神経に刺激が入って いたとしていたら大変困るわけです。手で作業していたら何かお腹がぐるぐる言い始めたとか、あるいてたらお腹痛いとか、そういうのはやめて欲しいですね。なので、ここには自律神経はこっからは線維が出ていないということです。で、先ほど言った、上脊髄反射というのは、、、2つ書いておきましょうね、(板書しながら)脊髄反射と上脊髄反射というのが、脊髄反射というのが、背中を触りました、脊髄に刺激が入ります、そこから脊髄から出ている同じレベルの神経の内臓支配のところに刺激が入ると、これが脊髄反射。そして上脊髄反射というのは手を触りました、そして頚椎に行きます、で頚椎から自律神経は出ていないので、これが脳に上がって脳から全身性に効いてくると。これが上脊髄反射ですね。一回脳に入って自律神経反射を起こしてくる。だから脳を介すか介さないか、この2つ反射の要点になります。だからデルマトームで今色を塗ったところがありますでしょ、色を塗ったところ。背中が交感神経色に染まってますよね、足が、足の一部分、おしりと足の一部分が副交感神経色に染まってますでしょう。そこの色の染まっているところに刺激を入れれば、直接そこは刺激が行くと。だけれども、色の塗っていない手足のところ、そこは一回脳に入って反射が起こると、いうことになっています。この上脊髄反射っていうのはあんまり聞かないから、最近です、ここ20年くらいの研究で強調されている反射になります。
そう、だからこれもう少し、もう少し我々にわかりやすい言い方で伝えると、施術をするときにまず手足から刺激を入れようと、手首を先に回すんですよ、足首を先に回すんですよ、身体に挨拶をしてから施術に取り組みましょうみたいなことを我々よく言いますけれども、それはつまり上脊髄反射を起こして全身的に刺激を入れて調整をしておいてそこから精査して行こうという発想なわけです。その方が刺激が安定するし、やさしい刺激だということですね。いきなり背中をバッと触ると一気に交感神経レベルが上がって、だから食事をしているときに背中を触らないでみたいなことです。消化したいんだって。その前に食事をとるまえに手足の刺激をして、そして食事に臨めばより胃腸は働きやすくて、ということですね。逆を言えば、逆を言えばというか、たとえば痩せたいのであればそれこそ、こう、こすっておいて、肋間神経こすっておいて食事に臨めば、そんなに暴飲暴食する必要はないということです。もっと言うと、どんだけしゃべるんだって笑 もっと言うと痛みっていうのは交感神経の求心性神経をとおって脳に上がります。内臓の痛み、内臓の痛みというのは交感神経の求心性を通って行く。まぁ、迷走神経はとおって行かないと生理学では言われています。ま、これがどれほど正しいかっていうのはわらないけれどもね、何か出ているような気はしますけれども。一応生理学の中ではそういうことにはなっていなくて、交感神経に反応がでる。 だから胃が痛い、胃が痛いものに関しては背中を使うというのが話が早いということです。そして胃の働きを整えようというのであれば、たとえば足の三里とかで体性反射を起こして一回脳に刺激を入れて上脊髄反射で戻してくると。いうのが胃腸の調整のスタンダードというか、わかりやすいところだと思います。ちょっと休憩とかしましょうか。
「じゃあ10分ほど休憩しましょう~」
(休憩)
※上脊髄反射
ちょっと上脊髄反射をやってみましょうか。
上脊髄反射を受けてみたい(人)?上脊髄反射をうけてみたい人!!
「はーい。」
じゃあ、よろしくお願いします。えーとですね、何でもいいんですけど、どうしようかな? じゃあちょっと前屈してみましょうか。
(前屈)
これ、(立位体前屈でビフォーアフター見てみようと思いましたが)やわらかいのでやらないほうがいい。
じゃあちょっとあお向けで寝てみましょうか。
上脊髄反射っていうのはとりわけ、副交感神経的に作用することが多いものなので、人前で何かをやるというのではとても難しいものではあります。