疫咳は小児における伝染病であり、ときとして合併症のため予後不良となることがある。また、重傷者においては傍観することが耐えられないほどの苦痛を病児にあたえる。 エブラム氏の臨床上疫咳についての説 この伝染性疾病は迷走神経の張力を減弱させてしまう性質があり、とくに大動脈に分布する迷走神経繊維を冒す。もともと大動脈は健康なときにおいても同一の大きさを示すものではなくて、末梢の刺激によって拡張するものであるが、とくに疫咳の発作のようなものは心理的動揺やクシャミ、咽喉の刺激などによって誘発される。心理的動揺による拡 ...