心臓機能不全のうち心筋に起因するものを3つに区別する。
- 心動が不全で脈拍が結滞し、力も乏しい
- 脈が速く、発作的心悸亢進がある
- 喘息性で、急性の肺水腫をおこしやすい
〔徴候〕
心臓機能不全の徴候は、まず階段や坂道をのぼるときに呼吸に多少の困難を感じ、食後に心臓部に違和感または鈍痛をおぼえ、症候が進むにしたがってますます心臓の鼓動がめだってきて自覚できるようになる。打診上、このような心臓は濁音界が広くて一室または左右両室が冒されてしまっている。
〔予後〕
心臓機能不全の予後は一般的に不良であり、単に対症療法を施すくらいしかない。しかしエブラム氏反射が顕著であるときは予後も非常に良く、ハイツはこれを標準として入浴療法を勧めているという。逆に、この方法を試みても心臓の大きさに変化が見られないときは、入浴療法が効果的でないばかりか、かえって危険の表徴であるチアノーゼをおこす心配がある。