3、血管運動神経と血圧との関係
血圧は血管の抵抗と関係している。すなわち血管が拡張するときは血圧は下降し、収縮するときは昇騰する。そして血管の張力を支配するものは血管運動神経であり、血管じたい、または末梢知覚神経の刺激、精神動揺、筋肉の活動、摂食後、月経時など、いずれも血圧に変化を与える。
血圧はまた心室の収縮および血管収縮神経の両方と関係する。
亜硝酸アミールを吸入すると、血管神経の働きを中止させて、心室の働きだけを計ることができる。
血管神経は、心室の働きが不十分なときにその代償といて心筋の栄養をよくし、血液の供給を補完するように働く。
心室および血管運動神経の互いに血圧に関する影響は、強心剤を与えるときに注意すべき点である。
4、血管運動神経の機能を試験する法
患者を横たえておいて血圧を計り、つぎに立位で計る。その差が健康人であれば15〜30mmの昇騰をみるが、血管神経が機能不全であればこれと反対の現象を起こす。とりわけ神経衰弱症において。