骨盤といえば第一にダイエットですが、これは世界の常識ではありません。
世界の手技療法で骨盤がフィーチャーされる場合には、そこに由来する痛みが主であり、ついで、妊娠出産に伴う痛みや尿漏れ、そして性機能の問題なわけです。
それがなぜか日本では、「骨盤=ダイエット」ということになります。
iPhoneの予測変換ですら、「こつばん」と入力すると、「骨盤」に続いて二番目には「骨盤ダイエット」がでてくるほどです。
いったいなぜなのでしょうか。
日本では、「整体」という独自の手技文化が発展しました。
それは独特な概念に支えられて連綿と今に至っています。
その独特な概念のひとつに「体癖」というものがあります。
これは、人を感受性の傾向で分類し、それらが実現する体型に関して、12種類にわけたものを言います。
身体均整法でいうところの、「12種体型学」もこれと裏表の関係にあります。
この、12種類の中の9番目と10番目、これを、「開閉型」あるいは、「骨盤型」と呼びます。
エネルギーの集注具合で陽と陰を、つまり9か10かをわけるわけですが、この体型の違いが、簡単に言ってしまうと、
痩せ型(9)なのか、
太り型(10)なのか、
ということを意味しています。
つまり、日本における骨盤問題が、第一にダイエットと連動して語られるのは、体癖論や、体型学を介して結びついているんだということをぜひ覚えておいてください。
この、
「体型/体癖」
の偏りをなくすことで美容や健康を実現するというのが、いわゆる「整体」であり、「身体均整法」なのです。
参考:野口晴哉『体癖』