2013 脊髄反射的療法、現代語訳

Afina現代語訳11、脊柱

第四章 症候学概論

第一 脊柱

 健全な脊柱は彎曲性と可撓性を備えいるものである。

一 彎曲

 脊柱が脊椎棘突起の正中ラインから外れるときは、一見して脊柱が彎曲していることを視診できるけれども、正確に確認しようとすれば各棘突起をつないで墨線を上下に引いて、どちらに偏っているかを観察する。

 異常のない脊柱においても、一定の彎曲があり、上部は前方に、中央は後方に、下方は前方に彎曲している。そしてこの彎曲は成人して固定するが、小児においては平臥の姿勢をとらせて牽引すればほとんど鉛直になる。

二 可撓性

 人体脊柱の屈伸具合を確認しようとするけれども、そのやり方の多くは各脊椎間における運動であって、また頭部と骨盤間の運動によるものである。そしてその運動を正確に見極めるには骨盤を固定して試みないわけにはいかない。そうでなければ骨盤の運動で身体の平衡をたもち、脊柱の運動ではなく全身運動を診ていることになってしまう。

三 脊柱の運動

 脊柱の運動は前後および速報の運動、ならびに回旋運動である。そして前方に強く屈するときはひとつの弧線を描く。また後方の運動は腰椎および最終2胸椎による。左右の運動は直立の位置において試みなければならず、その運動は胸椎と腰椎との関節およびそれ以下が作用している。回旋運動は直立の場合は頚胸椎間がもっとも著しく、胸椎下端以下では回旋しない。

 脊柱はこのようにとても運動性にとんでいるが、各脊椎ごとに注目するとそれぞれはきわめて微細な動きしかみられず、深呼吸のときには不随意に伸縮する。

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