1 心臓収縮反射
西暦1898年、エブラム氏の発表した心臟反射現象は、心臓部の皮膚を、摩擦または叩打して刺激するときは、心臓はX放射線映像において、いちじるしく収縮するのが確認できる。それ以来これをエブラム氏心臓反射現象と呼ばれている。
収縮反射は右室よりも左室のほうが収縮の度合いが強い。しかしその収縮は一瞬のことではなくて、始めて試験した小児においても2分間以上継続した。つまり刺激し終えた後もこの現象が継続するんだと知るべきである。だが、この収縮の度合いは人によって異なり、認識しづらい程度の人もいるし、左右とも2cm収縮する人もいる。収縮現象はすべての例でみられるが、たんに左室のみの収縮にとどまるものもある。
心臓肥大症の患者においては、健全な心臓より収縮反射はいちじるしく、収縮の継続時間も長い傾向がある。
収縮現象ははじめ直径で測っていたが、その後X光線により縦径もなお収縮することを発見した。