Afina現代語訳23、氷結法
三 氷結法 長年の実験に照らしてみると、脊椎圧痛部の局所的鎮痛法としては、氷結法が最適である。その方法とは一定の薬液を局所の皮膚に噴霧するもので、確実に効果を出すには皮膚の表面が白色に変化したあとさらに数分間そのまま継続する。そうすると一回で脊椎および末梢の疼痛が緩解することが多い。 氷結法に使用する薬液としてはリゴリン、エーテル、クロールエチール、ベンジン、(氷結のために特製したもの)、などがよい。しかしクロールエーテルは高価すぎるのでエーテルを使うのがよい。夏期、エーテルでよく氷結しないときは、は ...
Afina現代語訳22、圧迫法の注意点
(ハ)圧迫法の注意点 圧迫法における脊椎反射現象は、ほとんど瞬時に現れるものであるから、圧迫は30秒を越えてはならない。そうでないと反射機能が疲労をおこして反射現象は消失する。 一定の脊椎側を圧迫して起こる内臓反射表に準拠していろいろな症状が緩解または消失するのであるといっても、その予期した効果は正確に所定脊髄神経起根部に符合した場合であって、もし症状に変化がないときは、あやまって他の脊椎に圧迫を加えたものだと了解すること。 鎮痛作用、脊髄神経痛において脊椎の圧痛点を圧迫したときは、その疼痛を鎮静さ ...
Afina現代語訳21、圧迫器と指頭圧迫法
(イ)圧迫器 圧迫器は金属製で、2個の乳突状の突起があり、それで脊髄神経起根部の左右両側を圧迫しやすいようにしてあり、柄部はT字形になっていて、握って適切な圧を加えやすいようにしてある。 患者が肥満していたり、圧迫に持続が必要な場合にはこの器具を使うとよい。 (ロ)指頭圧迫法 これは単に術者の第二指および第三指の指頭で、所定の脊椎両側を圧する方法であり、小児や痩せた患者に適用する。
Afina現代語訳20、圧迫法
圧迫法とは、等しく脊椎反射作用を基礎としており、脊椎の両側を一定の強度で圧迫することで、これに二種類ある。 一 圧迫器圧迫法 二 指頭圧迫法 これである。脊椎反射現象を引き起こさせるメカニズムは同じであるが、用いる圧力の強弱に応じて選んで使う。
"内臓操縦法"について
身体均整法学園の講義科目のうち“内臓操縦法”という講義があり、現在わたしが担当しています。 身体均整法じたい、手技療法に分類されており、いわゆる“整体”をイメージして頂いてけっこうなんですが、それが、運動器疾患のみならず、内臓に効果があるというのは、あまりイメージしにくいかと思います。 しかし現実には、とても効果があり、これは生理学的にも認められることです。 たとえば神経的なことでいうと、“体性-自律神経反射”というものがあります。 身体の外側を刺激すると、自律神経に反射がおこるというもので、とくに脊髄分 ...
Afina現代語訳14、脊椎痛の鑑別
脊椎痛の鑑別 脊椎痛は他の皮膚の知覚過敏と一緒にしてはならない。ヒステリーまたは神経性のもので、たんに軽く皮膚に触れるかつまむかして、脊椎痛を感じることがあるけれども、患者の気をそらせるか、粗布でそこを摩擦すると疼痛はまったく消散してしまう。 神経衰弱やヒステリー症においては、脊椎に疼痛点があるというのはほとんど遠くない兆候であり、全身療法をくわえるのでなければ消失しないことが多い。 神経性疾患は脊椎に痛みをうったえるが、その知覚過敏部で脊椎は強直状になっているわけではなく、さらに他に兆候があるので ...
Afina現代語訳13、脊椎痛
第三 脊椎痛 脊椎痛はいろいろな方法で検出することができる。 一 脊椎を指頭で圧するか、または打診板もしくは打検槌で叩打するときは疼痛を感じる。もし感じないときは側方または下方に脊椎を圧すると感じることがある。 二 脊椎の両側に沿って脊髄神経の起根部を圧すると痛みを感じる。 三 頭上から鉛直に脊柱を圧下し、ついで肩上から圧下してみる。 四 脊椎横突起上に、回転するように強い圧迫を加えると故障した関節に痛みを感じる。 五 不快を感じない程度の湯に浸した海綿で、脊柱を上下にこすってみると、異常のある脊椎は疼 ...
Afina現代語訳12、脊椎筋の攣縮
第二 脊椎筋の攣縮 臨床家は炎症をおこした関節や漿液膜などを保護する作用として、その周囲の組織やこれを覆う筋肉が緊張することは知っているけれども、脊椎筋の攣縮にかぎってはあまり注意を払っていないようである。 この脊椎筋の攣縮を診察するには、まず患者を横臥させて背筋を弛緩させなければならない。そして試しに脊椎神経の起根部を強く圧迫してみる。すると末梢の一定部位の筋肉が攣縮するのがみられる。またこれに反して、末梢の一疾病による末梢の筋肉の攣縮は脊椎筋の攣縮に伴わないこともあるが、注意して触診してみればたい ...
便秘解消に大腰筋ケア
皆さんどうやって便秘を解消していらっしゃるでしょうか? お薬を飲んだり、専用のお茶を飲んだり、出る方がうまくいかないわけですから、もちろん、口から入るものが重要なのは当然です。 しかし、実はそれだけではありません。 腸が中身を押し出すときは、自動的に、蠕動という運動を自律的にやってくれています。そして、腹圧といって、お腹の中の圧力がとても重要です。 さらにいえば、これはあまり知られていないかもしれませんが、直腸肛門角といって、骨盤の角度もひじょうに重要です。 この、ボディの側の二つの問題を解決するキーワー ...
Afina現代語訳11、脊柱
第四章 症候学概論 第一 脊柱 健全な脊柱は彎曲性と可撓性を備えいるものである。 一 彎曲 脊柱が脊椎棘突起の正中ラインから外れるときは、一見して脊柱が彎曲していることを視診できるけれども、正確に確認しようとすれば各棘突起をつないで墨線を上下に引いて、どちらに偏っているかを観察する。 異常のない脊柱においても、一定の彎曲があり、上部は前方に、中央は後方に、下方は前方に彎曲している。そしてこの彎曲は成人して固定するが、小児においては平臥の姿勢をとらせて牽引すればほとんど鉛直になる。 二 可撓性 人体 ...